システム開発を経験した事のあるSEであれば、前稿の定義は概ね理解していただけると思いますが、またしても「注文住宅を建てる」工程に対比しながら、重要な留意点を説明していきます。
a)要求分析=顧客が何を望んでいるのかを整理する作業です
…家族構成、趣味、生き方(陶芸をする?家でpiano教室を開く?喫茶店を開く?)、好み(和風?洋風?)、等を聞き出して顧客の要求を整理します。顧客が気づいていない要求もあることを理解しておく必要があります。また、大風呂敷を広げすぎる(何でも頷いてしまう)と、後で予算や敷地形状などの制約から多くを断念しなければいけなくなるので大枠を見切っておく必要もあります。
b)要件定義=聞き出した要求を実現した時の姿を模型、間取り図、等で見せる作業です。
…「できる事(例:お風呂はご要望通りの大きさを確保しました、…)」ばかりでなく、「できない事、我慢してもらう事(予算や敷地形状などの制約で削除した要求)」も、きちんと説明しておく必要があります。
c)外部設計=顧客が納得した模型、間取り図から、詳細な(技術的な)設計図に落としていく作業です。
…部材の荷重制限等の物理的制約だけでなく、動線とドアの開く方法が逆になっていないか?生活する人と壁紙の色柄は合っているか?等々の使い勝手にも配慮する必要があります。また、各種法規則や町内ルールにも準拠する必要があります(顧客が知らないことも多いです)。
d)内部設計=設計図に書かれている各種構成物(ドアとか窓とかキッチンとか)を、部材に展開(ブレークダウン)していきます。どこまで展開(ブレークダウン)するかは、部材ごとに異なります。ドアであれば、枠+ガラス+ノブ+…となりますね。キッチンなら、シンク+水栓+給水管+配水管+…です。また、部材選定に自由度があり、共通部材が使えるのであれば、それを使うようにします。