上級SEとは? (その2)

前回は「上級SE」と言う言葉の定義をしました。
今回は「情報処理システムを構築する」と言う仕事を再確認しておきたいと思います。

「情報処理システムを構築する」とは、顧客の要望に基づいて、その期待する結果を自動的に導き出す仕組み(これを「システム」と言います)を作ってご提供する事です。
ここで注意が必要なのは、「顧客の要望をそのままプログラム(≒固定的な処理方法)に置き換える」のではなく、顧客の要求を吟味し、捨て去る物は捨て去り、プログラムにしない(人間系が柔軟に対応した)方が良いと思われる物は人間系に委ねる事です。
この事は、情報処理システムを構築するときの、かなり大切なポイントなので別稿でもう一度取り上げたいと思います。

また、情報処理システムは、殆どが目に見えない物(プログラム等)で構成されているので「構築する」と言う作業のイメージも掴みにくいですが、「注文住宅」を作る事に置き換えてみるとイメージが掴みやすいと思います。
「注文住宅」は、①顧客の要望を聞く ②設計図を書いて外観や間取りや予算などを確認する ③資材や職人を手配する ④手順に従って組み立てていく ⑤色々な検査をする ⑥顧客に引き渡す と言った手順で作られます。
「情報処理システム」もほぼ同じ手順を辿ります。手配する職人が大工さんなのかプログラマなのかの違い、手配する資材が壁板なのかプログラム部品なのか、と言った違いだけです。

また、「上流工程」と言う言葉は、今日の所は「実物その物ではなく、その概念を整理する過程(注文住宅の例では①②の作業)」と定義しておきたいと思います。

従って、上級SEとは、「顧客の要望を聞き出し咀嚼し整理し、構築する情報処理システムの姿を明らかにする(設計する)役割を担当する技術者」だと言えます。

現実の上級SEは、こんなに狭い範囲だけではなく、情報処理システムを構築するという「プロジェクト」を運営していくという(管理的な)役割を担っている事が多いので、技術者としての側面と管理者としての側面を持っています。
暫くは技術者としての側面に重心を置いて整理を進めていきます。

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上級SE歴40年強 水瓶座、B型、男性
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